ふたつの世界

山岸凉子,読書

妖精王1

「『妖精王』は、アーサー王伝説ですよ」
「えー、読んだことあると思うけど、そんな話でしたっけ?」

という会話があって、1巻目を読みました。

パン(牧神)の子どものでてくる話ですよねぇ……。
その時点で、覚えているのは、そんなもの。

山岸涼子は、ファンタジーよりも、名作「日出処の天子」のイメージと、あと、あのめちゃくちゃおっかない怪談話ばっかり覚えています。

ということで、読んでみました。

出てきたのは、パンではなくって、ブックというコロポックルの子どもでした。
純粋なファンタシー作品だと思っていたら、北海道という現世とニンフィディアという幻想世界が、二重写しになっているファンタジーでした。
でも、確かに、「摩周湖」を「魔州湖」と読み替えるのには、覚えがあります。
ところどころ、覚えているような気もしますが、ほとんど、はじめて読む本として楽しめました。
出会った時期が、あんまり素直に物語をうけとれなかった時期なのかもしれません。
「月影の窓」のシーンなんて、すごく印象的で、一目見たら忘れないと思うのですが……すっかり、忘れていたようです。

でも、この物語が「アーサー王伝説」と関わりがあるのだということは、言われてみれば、そうかなぁという感じですが、言われなかったら全然気づかなかったと思います。
今の感じとしては、クーフーリンがランスロットで、主人公のジャックがアーサー王ということになるのかな?
なんか、昔、裏切ったみたいなので、グネヴィアも、どっかに出てくるかなぁ?

どっちかというと、このケルトの世界と現世との二重世界は、マリオン・ジマー・ブラットリーの「アヴァロンの霧」のシリーズを思い浮かべました。霧、湖、混ざり合ういろいろな文化の伝説と雰囲気も、なんだか、とってもよく似ています。
そして、「アヴァロンの霧」は、アーサー王のお話なので、その連想で、「妖精王」とアーサー王伝説も繋がったのかな。

そういえば、「アヴァロンの霧」の表紙のイラストは、少女マンガ家が書いていたと思うのですが、誰だったでしょう?